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理想を持ち、それを叶えていくためのたゆまぬ努力

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パッシブハウス・ジャパンの同胞でもあり、いつも沢山教えて頂いている、㈱島田材木店・島田さんのところに伺って参りました。島田さんは、日本で2番めにパッシブハウス基準をクリアして本国の認定を受けた「茨城パッシブハウス」を建て、ショールームとして活用しながら日々たゆまぬ努力で燃費の良い住宅を作っておられます。

今回の視察の目玉は「ダイキン・デシカホームエアー」です。 新たに完成された物件に件の装置が収められているとのことから、見に行こうとなりました。簡単に言うと、「全熱交換器付き一種換気扇に調湿機が付いている」と言うものです。発売されてまだ時間もたたず、日本でもかなり早い設置現場となっているはずです。

デシカの良いところとしては、空調としての湿度管理が一年中24時間、換気と同じ経路で行われるということです。つまり、今までは空調機が作動しているときは除湿(一部の機械は加湿もできる)を温度のコントロールと共に行なっていますが、中間期や気温の適温な時期(顕熱として加温が必要のない時期)に空調機が動かないと湿度のコントロールは自然任せとなっていました。

更に、空調機が動く時期も、建ものの性能が低いため日本人の癖になりつつありますが運転させたり止めたりを繰り返します。そうすると高い湿度からの除湿(低い湿度からの加湿)が起こり、運転効率の下がる状況を常につくりだしてしまいます。デシカでは365日24時間湿度を見張る事で相対湿度を安定させるのです。

これによって、加除湿の負荷幅は小さくなり、運転効率を定格付近で稼働出来れば最大効率で消費エネルギーを抑えることができ、かつ夏場の潜熱分の負荷もピークダウンができる(ある意味ピークシフト)ようになっています。また併用する空調機の潜熱負荷をかなり小さく出来るので、顕熱を調整する為の運転期間だけで済み、省エネにも貢献します。

何より湿度が安定することの重要且つ快適さは、この蒸し暑く乾燥した寒さの日本では、温度だけの環境では言い尽くせない素晴らしい空間ができる事が重要なのです。

島田さんは日本で2番めのパッシブハウスを「手書き」の図面で書かれました。「CAD使えないんですよ」と謙遜する彼はまた、日本に先駆けて恐ろしく快適な空間を創りあげていました。毎日家の事を考え、毎日少しずつでもたゆまぬ努力が無ければこういった建ものは生まれないのだとヒシヒシと感じて帰って来ました。

毎日、少しずつでもいい。とにかく一歩でも進むよう無駄にしないようにします。